倹約独身ひとり暮らし中年男子の備忘録

小さく豊かに暮らしたいひとり暮らしおじさんの生活備忘録

淡きこと水のごとしでちょうどいい

君子の交わりは淡きこと水のごとし

presidentstore.jp

雑誌PRESIDENT 2023年3/3号は「ひとりが楽しい人生戦略」

国の想定する標準的な親子4人世帯(父母+子2人)よりもおひとりさま世帯のほうが多い現代日本

離別や死別を考えれば夫婦二人世帯であっても将来的に高齢者のおひとり様は他人事ではないという問題意識からか、最近は週刊誌やWeb記事でこの手のテーマをよく見かける。最初からおひとり様を決め込んでいる私としても、幅広い情報を見聞きできるのはありがたい。

 

楽天マガジンで抜粋版を読んだところ、医師の松田ゆたか氏が書かれたページに目が留まった。印象に残ったのは以下の個所。

「人は独りになりたいのに独りになれないことも、独りでいたくないのに独りでいることも、どちらも不幸に感じる。理想は、その時の状況に合わせて選べること。そういう生き方をしていると結果的に孤独死をする可能性があるというだけの話」

「君子の交わりは淡きこと水のごとし、という言葉があるように、会えば会ったで嬉しいけれど、会えなきゃ会えないで達者にしているだろうといった、すがすがしい人間関係は人を幸せにするから大いに受け入れて良いけど、ベタベタとまとわりつくような人間関係は悩みや苦しみを生むことになりがち」

 

「君子の交わりは淡きこと水のごとし」は「荘子-山木篇」からの故事成語で、あとに「小人の交わりは甘きこと醴(あまざけ)のごとし」と続く。「立派な人物は水のようにさっぱりした付き合いをするが、そうでない人物は、甘酒のようなうまみを求めてしか付き合わない」ということで、森鴎外の「灰燼」の中にも「君子の交は淡きこと水のごとしと云ってな、余りしつっこくならない方が好いのだ」という一節で出てくる(らしい)。

 

私自身いまの時点では孤独の何が悪いのかよく分かっていないのだけど、高齢者の孤独による死亡は認知症と比べて2倍以上ときくので、心の声に注意深く耳を傾けておかなければと思っているが、「君子の交わりは淡きこと水のごとし」の言葉はこの先お守りになりそうな気がしている。